☆隠れたベストセラー

 

 世界で最初の本格的な書物が、15世紀にグーテンベルグによって印刷された聖書であることは、皆様もご存じのことと思います。

 聖書はまた、地球から他の天体に運ばれた最初の本としてもしられています。1971年アポロ14号によって16か国語で書かれた4500ページの聖書が、月に運ばれました。

 英語のThe Bibleという言葉は、「唯一の本」、「本の中の本」を意味します。

 最近は、子供でも読めるように、「まんが聖書」なども、書店の棚にならぶようになりました。

 日本聖書協会によりますと、聖書は、分冊も含めると世界で3億6千万部余りが頒布されています(2010年資料)。また、日本でも昨年、40万冊余りが読まれています。

 まさに、「隠れたベストセラー」と言えるでしょう。年齢や、性別、宗教の垣根を超えて、広く読まれているのが特徴です。

 

☆神から人への手紙(ラブレター)

 聖書は、神から離れた人間に送られた愛の手紙です。放蕩息子(娘)を思いやる母親にまさる愛を、神は、人間ひとりひとりに抱いておられます。

 『わたしは限りなき(永遠の)愛をもってあなたを愛している』(旧約聖書エレミヤ書31章3節、口語訳)と神は語りかけておられます。

 

☆神の約束の書

 聖書には、旧約聖書と新約聖書が含まれますが、旧約の「約」、新約の「約」は、契約または、約束をあらわします。聖書は、弱く脆い人間に対する、神の優しい励ましと希望の約束で満ちています。

 

☆聖書の内容

 聖書には、いろいろな事が書かれていますが、最初の「創世記」から、最後の「ヨハネの黙示録」までを貫いているのは、「キリストによる人類の救い」です。

 もし、聖書の内容をひと言で言え、と言われたら、私は下記の言葉を挙げるでしょう。

 『神は、その独(ひと)り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである』(新約聖書ヨハネによる福音書3章16節、新共同約)。神の「独り子」とは、イエス・キリストのことです。

 キリスト到来以前に書かれた旧約聖書は、やがて来られる救い主キリストを、預言や詩歌、歴史を通して示しています。

 一方、新約聖書は、旧約聖書に約束されたとおりに、人間の歴史の中に現われたキリスト~その生涯と死と復活など~が記録されています。

 

☆聖書の構成

 ところで、聖書が、旧約聖書と新約聖書から成ることは、すでに述べました。 

 旧約聖書は、創世記からマラキ書まで39巻で構成されており、その内訳は、創世記ー申命記(律法)、ヨシュア記ーエステル記(歴史)、ヨブ記ー雅歌(詩歌)、イザヤ書ーマラキ書(預言書)です。

 一方、新約聖書は、最初のマタイによる福音書から、最後のヨハネの黙示録まで27巻あります。その内訳は、マタイーヨハネ(福音書)、使徒行伝または言行録(歴史)、ローマの信徒への手紙ーユダの手紙(手紙または書簡)、ヨハネの黙示録(預言)

 おおざっぱに分けると上記のようになるでしょう。

つまり、旧約の39巻と新約の27巻を合わせると66巻が聖書には収められているわけです。

 「3(サン)9(ク)27、合わせて66」と覚えるといいですよ!

 これら66巻が、最も古い部分で、今から約3500年前、一番新しい部分で、約2000年前に書かれました。旧約が約30名の著者によって、新約は約10人の人々によって書かれました。

 時代も職業も住んでいた場所も異なる40人もの人々によって書かれたにも関わらず、内容には一貫性があり、一つのメッセージ(神の人類へのラブメッセージ)が全体を貫いているのは、神が、聖書の真の著者だからなのです。

 『聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である』(テモテへの第2の手紙3章16節)とありますように、神が人々に霊感を与え、受けた思想を人々が記したわけです。

 書かれている内容は、神に属する事がらですが、人間が理解できるために、人間の言葉で書かれたのです。ですから、一見、わかりにくい部分もありますが、祈りと忍耐を持って読むならば、必ず、神様が隠れた意味をあらわして下さいます。

 

 あなたも、この聖書を、あなたの人生の「心のビタミン」として、是非、座右の銘の1冊に加えられることをおすすめします。

 これから、簡単ではありますが、少しずつ、聖書について学んで行きたいと思います。 質問などありましたら(答えられる範囲でお答えさせて頂きます)お寄せ下さい。